修復的司法とは 林誠弁護士のレジュメ

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07 /09 2017
第6回九州・沖縄犯罪被害者大会in福岡で配布されたレジュメ

-修復的司法とはなにか-
弁護士 林  誠
○修復的司法(Restorative Justice)
  =犯罪の加害者・被害者(場合によっては双方の家族も含む)の対話の機会を通じて,犯罪により生じた被害の回復や当事者間の関係の修復を図ろうとする考え方
○修復的司法の意義
 ①司法に被害中心の見方を提供するもの
-司法の目的は,犯罪によって侵害された被害者の利益を可能な限り元の状態に修復することにある。
 すなわち,加害者(=被疑者・被告人)vs国家(=警察・検察)という二極の構造として捉える従来の司法の考え方から,それに被害者も加えた三極の構造に転換するもの。
つまり,修復的司法の考え方がなければ,司法に被害者の被害感情・処罰感情を考慮することは抑制的になるだろうし,被害者参加制度も修復的司法の考え方に親和的といえる。
「誰が傷ついたのか」,「被害者は何を必要としているのか」,「それは誰の義務であり責任であるのか」という問いかけ
      応報的司法(Retributive Justice)
=犯罪を国家に対する違反行為と捉え,司法は国家と加害者の対立関係において刑罰を決定するものと理解する考え方
     「その法律に違反したのか」,「誰がそれを行ったのか」,「加害者はどのような報いを受けるべきか」という問いかけ
 ②加害者が被害者に与えた害を加害者に理解させ,反省・悔悟,被害者への謝罪・被害弁償を実現して,これにより被害者自身の癒しを目指すもの
○被害者の立場からの修復的司法に対する批判
 ・修復的司法とは加害者との“仲直り”を被害者に強制するようなものである。
 ・加害者の更正に,なぜ被害者が利用されなければならないのか。
 ・刑事裁判で加害者に情状面で有利になるように利用されているのではないか。
   参考)DVO(Defense-initiated Victim Outreach)
=弁護側により開始される被害者への働きかけ・支援
○実践例
 ・被害者加害者対話の会運営センター(千葉)
 ・謝罪文銀行(兵庫)
 ・岡山仲裁センター(岡山)